守りのDXは業務を深く見ることから

業務改善の本質とDX

業務改善の定義と目的

業務を改善するとは、日々の業務フローを見直し、「ムリ・ムダ・ムラ」を徹底的に排除し、より少ない経営資源で最大限の成果を上げる活動です。

これは単なる作業の自動化とは異なり、仕事の効率と質を高める活動そのものです。

生産の三要素である「自然」「資本」「労働」を活用するにあたり、活動を効率良く進めるためには初期計画と業務フローの構築が不可欠です。

排除すべき「三つのム」

業務改善の核心は、この「三つのム」を特定し、なくすことにあります。これらをなくすことで、生産性の向上、コスト削減、そして従業員のモチベーション向上という大きなメリットが生まれます。

定義業務上の具体例
ムリ許容範囲を超えた負担や負荷をかけること。* 特定の従業員への過度な業務集中(力任せの作業)。
ムダ価値を生み出さない、時間や資源の浪費。* 待機時間や不要な会議、不必要な承認ステップ。
ムラ品質、作業時間、処理能力などにばらつきがあること。* 品質のばらつきによる手戻りの発生。* 作業時間の不安定さによる次工程の計画の困難さ。

可視化と分析

業務改善の前提条件としては、現状の業務フローを先ずは正しく把握することです。

フローの可視化

DFD=データフローダイアグラムなどを用いて、データや情報の流れを絵図化します。

その際、業務の特徴や課題を詳細に書き出します。

ヒアリング

実際に業務に精通した作業者からの意見を聞き出します。

守りのDX

可視化した業務フローに対し、デジタル技術で解決できる部分を特定し、適用します。

昨今の技術革新のスピードが速いため、以前の知識が陳腐化している可能性があります。そのため現状の技術力や予算を考慮しつつ、実現可能性のある選択肢を並行して調査・検討することが重要です(デザイン思考)。

守りのDXでは、このデジタル技術を駆使して、EX(エンプロイヤーエクスペリエンス)を向上させることにあります。従業員の「働きがい」を引き出すことで業務に集中させ、結果としてサービスの向上や次のお改善へとつなげ競争優位性を確立することが狙いです。

やる気を引き出すための戦略

EXを向上させ、社員のやる気を引き出すには、「部分最適」から「全体最適」への視点の転換が必要です。

全体最適な情報フローの構築

部門間の壁の撤廃: 従来の部門ごとの都合に合わせた最適化ではなく、部門間のデータの流れをスムーズにすることからスタートします。伝達の途切れやヒューマンエラーの原因となる「人を介在した情報伝達」を極力排除するフローを構築します。

ディーセントワークの実現

グループウェアやクラウドシステムなどのデジタルプラットフォームを構築し、EX環境を実現します。テレワークなどの仕組みを取り入れることでディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を目指していきます。ディーセントワークの実現には、就労ルールの見直しやDXの活用などをフルに総動員する必要があります