2025年度版

DX経営の進め方
INDEX
第1部 DXの変遷と経営環境への対応
第2部 DX推進アドバイス
ー DX経営の進め方 ー
人々の生活があらゆる面で変革している時代
デジタル化の波は日々社会に浸透し、私たちの社会生活に大きな変化を巻き起こしています。
社会インフラから制度、組織、生産方式に至るまで、従来の社会・経済システムに対し、AIやIoTなどのデジタル技術が導入され、まるで「昨日使っていたスマートフォンが、朝目覚めたらいつもと違う光景になっている」かのような非連続的な変化が起きています。
これまでの社会・経済システムの形が、デジタル化を起点に再構築(リビルド)され、それに並行してビジネスも刷新されています。その中で新たな製品やサービスが次々と生まれそして消え去っていくことが「当たり前」のような世界になりつつあります。
私たちの生活は、これまでより便利になったと感じる一方で、「いつの間にか他の人よりも遅れを取っているのではないか」という不安な感覚も伴い、便利なのか不便なのか判断が難しいのが現状で、デジタル化は驚異的なスピードで進展しています。
この捉えどころのない実情こそが今の現実であり、この状態は当分続くと見込まれます。
変革の時代に求められる姿勢
それでは、このような社会・経済システムの変革に対し、私たちはどのような姿勢で臨むべきでしょうか。
選択肢の一つは、これまでのやり方に固執し、「いつも通り、変わらない」という保守的な道を選ぶことです。
さて、ここから先は、今後訪れる「未来からのメッセージ」を深く理解し、デジタル変革時代に適応できる人・組織を育てたいと考えている次世代経営者のための内容となります。
DXの本質
2004年に世界で「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念が海外で提唱・定義されました。
DXとは、既存の企業価値、サービス、製品にデジタル技術の付加価値をつけることで、企業間競争における絶対的な優位性を確保することを最大の狙いとする経営戦略の一つなのです。

ー DX経営の進め方 ー
デジタル社会に対応したDX経営の考え方
私たちの身近な生活線上にある様々なものがデジタル化によって変化し、社会環境に大きな影響をもたらしています。
この変化の最大の要因は、スマートフォンなどの高機能なデバイスが広く普及したことで、「いつでも」「どこでも」「誰も」がインターネットを経由して容易に情報にアクセスできるようになりました。
デジタル社会においては、顧客との接点がオフラインからオンラインへ大きくシフトしています。
DXでは、この状況を「見える化」し、収集した情報を活きた「知恵」へと変えていくことが求められます。
今後、ますますオンライン上に存在する顧客に対し、新たな価値を提案することが、すべての企業にとって最優先事項となっていきます。これは、大企業・中小企業に限らず、小規模なスモールビジネスにおいても同様です。
DXを推進する経営においては、商品・サービスや業務を深く理解している内部のコア人材と、DXを理解している外部の専門家が一体となって組織を変革していくことが成功の鍵となりま。

ー DX経営の進め方 ー
社会環境の変化に対応したDX経営とは
DX推進のための3つの実行ステップ
組織的にDXを推進するためには以下の段階的なステップで取り組むことが効果的です。
❶ デジタイゼーション(アナログ業務のデジタル化)
アナログな業務や情報をデジタル形式に改善します。これは、DXの土台となるデジタイゼーションのフェーズです。
❷ DX推進組織の設立と戦略(ジャーニー)の設定
デジタル化の完了後、DXを担う推進組織を正式に設立します。この組織が中心となり、顧客体験=CXや従業員体験=EXを見据えた目標を設定し、その達成に向けたDXジャーニーマップ=ロードマップを策定します。
❸ リアルタイム経営とスパイラルPDCA
目標設定の完了をもって、「DX宣言」を行います。企業によっては、これと並行してDX認定制度の申請を行います。
実行フェーズでは、設定した目標に対し、データを活用したリアルタイムな効果測定と改善実行を繰り返します(スパイラルPDCA)。また、DXが経営指標に与えたメリット(競争優位性、収益性など)やデメリット(コスト、一時的な混乱など)も継続的に検証し、戦略にフィードバックします。

ー DX経営の進め方 ー
デジタルトランスフォーメーションを活用した経営の導入手順方法。


DX認定制度の概要とメリット及びDX銘柄
DX認定制度とDX銘柄の概要
1. DX認定制度の概要
DX認定制度は、2020年5月に施行された「情報処理の推進に関する法律の一部を改正する法律」に基づき、国が策定した認定制度です。この制度は、企業経営における戦略的なシステム利用のあり方に関する国の指針に基づき、優良な取り組みを実施している事業者を認定するものです。
情報処理推進機構(IPA)が「DX認定制度事務局」となり、2020年11月9日からWeb申請システムである「DX推進ポータル」上で申請受付を開始しました。
DX認定制度は、新型コロナウイルスの影響などによって大きく変わる社会変化に対応するため、自社のDX推進と併せて、国のお墨付きを得られる点に大きなメリットがあります。
2. DX認定制度のメリット
DX認定制度を受けることには、主に以下の3つのメリットがあります。
(1)論点の整理認定制度を受ける過程で、DXを推進する際の論点や課題が整理されます。
(2)信用力・ブランド向上国がDX認定企業として情報を公開するため、企業の信用力やブランド向上につながります。
(3)優遇施策への対応「DX銘柄2021」などの経済産業省の重要施策に対応する応募資格が得られます。
3. DX銘柄・DXブランド
DXを推進している企業は、単に優れた情報システムの導入やデータ利活用にとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革や経営の変革に果敢に挑戦し続けている企業であり、さらなる活躍が期待されています。
経済産業省と東京証券取引所は、企業価値の向上につながるDX推進の仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を、2020年から「DX銘柄」として業種区分ごとに選定し、紹介しています。


