突然DX推進者に抜擢された場合
会社から唐突に指名され、「明日からDX推進者として取り組んでほしい」と言われた場合、ITの知識があれば良いのですが、多くの場合はそうではありません。まず、インターネットやAI、またはセミナーなどで、DXに関する情報収集から始めることになるでしょう。
次に、上司や同僚、社内のITスタッフに相談するのが自然な流れです。しかし、人数の少ない中小企業では、他の業務と兼任することが一般的であるため、十分な情報やリソースが得られないままスタートせざるを得ないケースが多いのが現実です。
従来のITとDX推進では目的が違う
従来のIT導入は、ITサービスや周辺機器の導入・保守が主な目的でした。電話や複合機などのOA機器会社も、業務改善といった踏み込んだ内容には、積極的に取り組んでくれないのが現状です。
一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)の目的は、経営改革や経営変革の要素が非常に強く、その役割は実質的に経営コンサルティングが担う領域となります。
未来の顧客を起点に考える
DX推進において最初に必要なことは、現在の業務をゼロベースで見直す心構えです。
単に「今あるものをどう効率化するか」という視点ではなく、「未来の顧客や社員が本当に求めているウォンツ(潜在的な欲求)は何か」を起点にイメージを膨らませていくことが重要です。
「今すぐには実現できなくても、1年後、数年後には可能になるのではないか?」と、未来を予測しながら到達点を探っていく工程になります。導入後も、最初に定めた目標を少しずつ改善していくなど、長期戦略の視点が常に求められます。
DX推進の進め方と目標設定
DXの進め方は、中小企業の業種、業態、会社の規模によって様々です。
組織のデジタルリテラシーも含め、最初はある程度「身の丈に合った目標」を設定し、それをロードマップに落とし込んでいくのが現実的です。
ここで最も重要となるのが、「ビジョン」の設定です。ここが曖昧だと、途中で推進のモチベーションが続かず、プロジェクトが頓挫する(挫折する)原因になりかねません。
以下は、DXの目標設定の例です。(難易度順:1が最も簡単、5が最も難しい)
DXを導入して、集客や売上を向上したい
DXを導入して、業務効率化・業務改善をしたい
DXを応用できるよう、デジタル人材の育成とデジタルに強い組織にしたい
DXを継続し、競合を寄せ付けない経営へとワンランク向上したい
DXを活用してプラットフォーマーになりたい
まずは、「(会社が)こうありたい」「(顧客が)こうなってほしい」という未来の視点から考えてみることが、成功への第一歩となります。





